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ソニー銀行が取組むSynecoculture™

ソニー銀行は、生物多様性の増進を目的として、都立日比谷公園(以下 日比谷公園)内のカラーリーフガーデンにおいて、耕起・施肥・農薬を必要としない農法、Synecoculture(シネコカルチャー)を活用した取組を株式会社SynecO(以下 SynecO)の協力のもと、実施しています。環境に寄与するSynecocultureについてより多くのかたに知っていただくとともに、社員一人ひとりが生物多様性の価値や持続可能な社会への貢献を考える機会として、花壇づくりを行っています。

日比谷公園における取組

ソニー銀行の社員は、事前にSynecOによる勉強会・ワークショップを通じ、生物多様性や「拡張生態系(*)」について学び、日比谷公園、SynecOの協力のもと、花壇の整備に取組んでいます。ソニー銀行では引続き、生物多様性の増進につながる活動を継続して支援していくことで、持続可能な社会への貢献を目指します。

拡張生態系とは、人間活動が積極的に介入することで自然状態を超えて生物多様性が増進され、さまざまな生態系機能や生態系サービスが実現された生態系のことです。

2024年の取組開始以降、春と秋に植栽を行いました。1年を通じ、夏の猛暑や日照環境などによる植物への影響を社員が学び、当地でより成長が望めるハーブなどの植物を中心に植栽を行うなど、Synecocultureの特性を体感しながら有志社員が花壇を管理しています。
社内報では植物の成長状況や取組について報告をしたり、日比谷公園内のゴミ拾いとあわせてSynecocultureの取組を紹介するなど、社員が生物多様性の価値や持続可能な社会への貢献を考える学びの機会としても活用しています。

独立行政法人国際協力機構(JICA)の取組支援

世界各地の生態系が棄損された地域など、Synecocultureの特性をより発揮できる場所で、環境に配慮した持続可能な農業支援を行うことを目的に、独立行政法人国際協力機構(以下 JICA)へ2025年から5年間、毎年1,000万円を寄付しています。
JICAは、開発途上国における生態系の回復、拡張および持続可能な食料生産の確立への貢献を目的として、Synecocultureの導入およびモニタリング、普及展開を行う予定で、当取組を支援しています。
2025年度の取組として、セネガルとカメルーンを対象地に選定し、セネガルでは乾燥地における土地劣化対策と農業生産の向上を目指し、カメルーンでは生態系の回復・拡張、森林劣化地の回復、および持続的なカカオ生産のための実証活動を行います。

Synecocultureとは
Synecocultureは、多種多様な植物を混生・密生させ、豊かな生態系をつくりだし、もともと生態系に備わる物質循環などの自己組織化機能を多面的に利用するもので、耕起・施肥・農薬を必要としない農法です。無耕起であることで土壌炭素の蓄積にもつながります。SynecO代表でもある株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所の舩橋真俊研究員によって科学的に定式化・提唱されました。
2015年のアフリカ ブルキナファソにおける実証実験では、劣化した土壌を1年で再生させ、慣行農法よりも質が良く収益性の高い有用植物の生産を実現しています。また、都市部においては、都市緑化、環境教育、地域創生などへの活用も目指しています。
取組の背景

現在、地球上では史上かつてない速度で生物種の絶滅が進行しており、その主要因として大小さまざまなスケールで行われている農業による生態系破壊が挙げられます。農業における土地利用の大幅な転換は、地球の物質循環を破綻させ、気候変動の一因となり、生態系を脅かしています。

活動の詳細やSynecocultureについては、ソニーCSLおよび株式会社SynecOのサイトをご覧ください。