投資信託

投資信託の分配金 知っておくべき重要なポイント

(3)分配金が出ると基準価額は下がるってホント?

では、分配金が支払われた場合、基準価額(=ファンドの値段)はどうなるのでしょうか。投資信託は分配金を支払うことでその分配金に相当する分、基準価額は下がります。でもそれはなぜでしょうか?

分配金を受取るということは運用成果の一部を受取るということであり、ファンドの資産から分配金が支払われるためファンド自体の運用資産が減少するということになります。そのため、分配金の分だけ運用資産の時価評価額である基準価額は下がります。

ただし、分配金を受取ったとしても、必ずしも基準価額が下がらない場合もあります。それは、株式市場や債券市場などは日々変化しており、分配金を支払った日に運用資産が大きく値上がりすることで、分配金の支払分以上に基準価額が上昇する可能性もあるためです。

投資信託の基準価額は日々変動しており、あまり短期的な値動きにとらわれるのは適切でありませんが、定期的に基準価額や純資産額の推移をチェックしておく必要があります。「ファンド一覧・検索」から各ファンド名を選択して、個別ファンドの詳細のチャートを利用すると、それぞれの投資信託の基準価額や純資産額をチェックできます。

(4)分配金を受取るメリット・デメリット

では、分配金を受取るメリットはどこにあるのでしょうか。たとえば毎月分配型の投資信託は、運用を継続しながら投資成果をこまめに受取ることができるため、分配金を生活費や年金の補完として利用したいかたに適しています。

一方、分配金の支払は運用資産の減少ですので、中長期的に資産を大きく増やしたいかたであれば、分配する回数の少ない投資信託、あまり分配金を支払わない投資信託を選ぶほうが複利の効果によってより有利に運用ができます。また、分配金(普通分配金)には源泉税が課されます。受取った分配金を全額再投資したとしても、税金が引かれた額しか再投資できませんので、分配金額が大きな場合は再投資の運用効率が低下してしまいます。

分配金を受取る
メリット
たとえば毎月分配型であれば、投資資金で運用を継続しながら、投資成果をこまめに受取ることができる。
デメリット
分配金を受取るということは、運用資産の一部を受取るということと同じ。そのため再投資の効果で資産を増やすことができない。

毎月の分配金を有効に活用できるかた向き

分配金を再投資する
メリット
分配金を再投資することで、複利効果のメリットが享受できる(分配金額が少ないほど複利効果は大きい)。
デメリット
自分で解約しない限り、投資成果が享受できない。

長期の運用を前提としているかた向き

税率など税制の詳細は、証券税制をご確認ください。