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事業内容
概要

青森県を代表する物産のひとつであり、青森県唯一の経済産業大臣指定伝統工芸品である「津軽塗」。株式会社たなか銘産(屋号「津軽塗たなか」)は、「津軽塗」の製造販売会社として1947(昭和22)年に弘前市にて創業。創業者である田中柾敏氏が津軽塗を始めてから100数十年の歴史をもつ老舗企業であり、現在では会社規模で「津軽塗」を作る工場や工房が減少している中にあって、同社は工場と自社店舗を有し、製造から販売までを一気通貫で行っています。
同社を代表する商品は「箸」ですが、その他にも汁椀やカトラリー、グラスなどの食器・テーブルウェア、iPhoneケースやフォトフレームといった文房具・雑貨、茶道具や盆、座卓など豊富な商品ラインアップを用意。創業当時から「日常使いとしての工芸品を作る」をコンセプトに「ライフスタイルの変化に合わせた商品づくり」を貫いてきた結果、伝統工芸品の枠に収まらない多岐にわたる商品群が構成されました。
また、「津軽塗」の伝統技法を生かしながら、従来の商品にはない特徴をもつ商品の開発を積極的に行っており、新商品「透ける津軽塗」はその用途の可能性の広さもありさまざまな業界から注目されています。まさに、商品を通じて「津軽塗」の歴史と未来を提供しているのが、株式会社たなか銘産なのです。
バリエーション豊富な「箸」を主力商品に多彩な商品ラインアップを用意
同社の主力商品である「箸」は、津軽塗の伝統技法を用いて1本ずつ手作業で作られる、こだわりの逸品。同じ木地を仕入れて製作していますが、天然木のため太さに個体差があるため、同じ模様を施しても仕上がりは微妙に異なります。「箸」は2本で1膳となるため、相性がよいと思えるペアを選んで組合わせることになりますが、その際は一番美しく見える角を正面にして選び、心を込めてシール留めするそうです。その丁寧な作業から生み出される美しい箸が、長年にわたって多くの顧客から支持を得ています。
商品の種類は「一膳 箸先なめらか」、「一膳 すべらない箸」、「夫婦箸 箸先なめらか」、「夫婦箸 すべらない箸」、「三善・五膳セット」があり、それぞれ色や漆塗りの技法が異なる複数の商品が用意されています。
なお、販売先は自社オンラインストア、自社店舗の直売の他、青森県内の主要な商業施設やホテルのお土産店に加え、取引先を通じて東京・大阪を中心とした主要都市の百貨店や、漆器専門店・箸専門店にも展開されています。


職人の手作業を直に感じられる新商品「さわるツガルヌリ」
2020年12月、若い世代にも津軽塗の魅力を伝えたいとの思いから開発された「さわるツガルヌリ」が発売されました。この商品は「さわって楽しむ」をコンセプトに開発されたもので、同社にとって初めてとなるガラスを用いた漆器となります。本来、津軽塗は漆で凹凸をつけて塗り重ね、それを研ぎ出して表面を滑らかにしますが、「さわるツガルヌリ」は、あえて職人の手作業が感じられる凹凸を残したもの。研ぎ出しが無い分少ない工程で製作できるため、価格帯を抑えることにつながりました。商品構成は、タンブラーとぐい呑み、スプレーボトルの3種類。それぞれに複数の色が用意されています。
また、青森県令和2年度広域連携による知財ビギナー支援事業として、東京のデザイン会社、ディレクション会社のサポートを受けて開発されたのが、「さわるツガルヌリ」のプレミアム版商品「ゆいぬり」です。こちらはタンブラーとぐい呑みの2種類があり、より美しい装飾が施されたラグジュアリーな商品となっています。


津軽塗の可能性を切り開くアート性の高い商品「透ける津軽塗」
「日常使いとしての工芸品を作る」をコンセプトに、創業当時から手作業による量産品の製造を行ってきた同社が、透過性をもつ漆素材「透漆(すきうるし)」を用いてあらたな漆表現を編み出したアート性の高い商品が「透ける津軽塗」。特許出願中(2025年8月現在) である同商品は、構想から10年の歳月をかけて誕生しました。
この「透ける津軽塗」を用いたランプシェードは同社の自社店舗にて展示販売されている他、素材としての要素もあることから、卓上パネルや壁面用のデザインパネルなどのオーダーメイド製造も行っています。しかし、それらはあくまで商品化の選択肢のひとつ。他社とのコラボレーションを模索しながらプロモーションを実施し、関心を持ったさまざまな業界から問い合わせがあるなど、あらたな販路の開拓とともに、今後の展開が大きく期待されています。


資金使途
調達資金は、株式会社たなか銘産の事業全般にかかる活動に使用します。
事業計画
事業計画売上高
12,000,000円
会計期間全体(3ヶ月)における合計です。
売上対象
本事業の売上は、株式会社たなか銘産の全売上が対象となります。
分配金の計算および支払の対象となる売上は、事業計画売上高の12,000,000円を上限とします。